赤い薬と青い薬
日頃から考えているテーマの一つに、「経験は想像で補えるか?」というのがあります。
じぶんがなぜかいつも経験を選び、踏んだり蹴ったりで痛い目に遭っている分、逆に経験重視の風潮に逆説を唱えたい、とあれこれ考えています。
リアルな経験が生きていくために役立つ情報を一番多く与えてくれるのは、事実のような気がします。
でも同等の情報を経験以外の方法で得られないとしたら、いろんな経験をしていない/させてもらえない人の未来が暗くなってしまうわけで(=同時代に生きるじぶんの未来も暗くなる)、それをどうにか否定したいというのが、いろいろ考え始めた発端です。
トリックアートの例でもわかるように、人間の知覚は元々無自覚の補正が入っているから、バーチャルや想像でも同じ感覚さえ得られればOKでは?と思っていたのですが、昨日の台風で「やっぱりリアルの情報量は圧倒的に多い。。。」と思いました。
壁と屋根に守られたところにいるだけで、雨風の中に、直にいるのとまったく違う。
どこも濡れないし、雨や風の圧力を感じない。 体も揺れない。
雨風と一体化しているような、雨や風の音の大きさも感じない。
何かが飛んできて直接体に当たる心配がないので、恐怖もそれほど感じない。
バーチャルとリアルの違いは、こういうことなのかもしれないと思いました。
映画『マトリックス』(1999年)の中に、主人公のネオが現実の世界で生きる赤い薬と、機械が作ったバーチャルの世界で生きる青い薬を選ぶシーンがあります。
ネオは赤い薬を選ぶのですが、リアルの世界を選んだからといって、(啓示を含む)想像やバーチャルと無縁になっているわけではないところが奥深い。
「経験は想像で補えるか?」の答えはまだまだ出そうにありませんが、バーチャルの比重が増す世界で、じぶんはなぜか時々重力や汗、匂い、肌で感じることを強烈に欲します。
冒頭のなつかしい名曲は1996年のリリース。
ジェイ・ケイは27年前に彼の答えをみつけているようです。
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