『オクトパスの神秘: 海の賢者は語る』
アカデミーの最優秀ドキュメンタリー賞を受賞したので、見たことのある人も多いかと思いますが、時々思い出す印象深い作品です。
仕事や家族との関係に疲れた映像作家の男性が、子ども時代を過ごした故郷・南アフリカの海沿いにある別荘(?)に一人逃れ、何気なく海に入った時に出会ったタコを通じて、自然や生の意味に触れながら自己を再生して、仕事や家族、世界とのつながりを回復していく物語です。
タコとの関わりを「ラブ・ストーリー」と揶揄する人もいて、たしかにその個体、タコの生態に魅せられて深く入り込んでいく様は、冷静な第三者が冷笑してしまうような、盲目的な恋愛を彷彿させるところもありますが、いろいろなことに傷つき、すべてから隔絶された環境で、主人公と世界を唯一結びつけるものがタコだったことを考えると、その後の展開の広がり具合とのギャップが静かな感動を呼びます。
豊かな海の美しさはもちろんのこと、岸壁に建ち、時に荒波に飲まれる小屋も美しく、映像作品として非常に優れていることも、この作品の魅力です。
まったく毛色は違いますが、『イングリッシュ・ペイシェント』(映画はロマンスに重点を置いている。でもそれはそれで美しい)といい、じぶんは「再生」というテーマが好きなのかもしれません。
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