誤解された笑顔


 昨日「『うれしげ』でいいんじゃない?」と書いたら、バイト先の同僚の笑顔が原因で、あのあと、ちょっとした事件がありました。

いつも笑顔を絶やさない彼女。
昨日先輩から新しい作業を教わったのですが、なぜかしつこく「こうだよ!」「こうなの!」と言われるハメに。
「これでいいのかなぁ?」と心配しながら作業する彼女に、「それでいいんじゃない? どうして何度もしつこく言われてるのか、わたしにもわからないよ」と苦笑で励ますわたし。
やがて彼女が仕事を終える時間がきて、持ち場を去って行きました。

しばらくすると、社員の人が慌てた様子でわたしを呼びにました。
「何、何?」と戸惑いながらついて行くと、別室でいつも笑顔の同僚が泣いています。
そこには、さっき彼女を指導した先輩もいて、どうやら先輩の指導方法が問題になっているらしい。
話を聞くと、先輩は〝怒られてもヘラヘラしている〟 彼女に腹が立って、しつこく強い口調で怒っていたようです。
そしてわたしは第三者として意見を述べるために呼ばれたとのこと。
もちろんこの機会を利用して自分の意見を言わせてもらいました。

まず、いつも笑顔の彼女は、決して〝ヘラヘラしていた〟 わけではなく、どんな時も明るく前向きにと対応していただけ。
彼女は非常に責任感が強く、すぐに言われた通りにできないことを気に病んでいたこと。
そして初めてする作業を、最初から完璧にできる人はいないこと。
先輩は誰かを指導する際、「慣れていないのだから、できなくて当たり前」と、ゆったり構える方がいいと思うと意見を述べ、その場は丸く収まりました。
しかし、いつも笑顔の同僚が、「わたしは常に前向きな対応した方がいいと思って、注意された時も落ち込んだ顔を見せなかったのですが、その対応が間違っていたんですね」と、泣きながら言っていたことに胸が痛みました。
というのも、わたしも今住んでいる地域に来た時、彼女とまったく同じことを思ったからです。

人は、それぞれ価値観が違います。
自分が誰かを注意した時に、相手がシュンとしている方が、「よし、反省している!」と満足する人もいる一方で、誰かに注意された際、自分の不出来を反省しつつも、「すみません! こうですか?」と前向きな態度を維持する人もいます。
もちろん注意する/される内容にもよりますが、たいていのことは大したことではないので(とわたしは思ってしまう)、さっと謝ってやり方を改めれば十分ではないかと個人的に思っています。
しかし同時に、些細に思われることも、相手にとっては些細でない可能性もある。
そしてわたしが住む地域では、どんなに小さなことでも注意されたら、「すみません。。。。。。」と必要以上に落ち込んだ態度を見せることが〝安全〟なのです。

おそらくいつも笑顔の同僚は、仮に誰かを注意する立場になっても、相手が落ち込むか否かよりも、よりよい結果を出す方向につながるか否かを重視する、わたしと同じタイプなのかもしれません。
とはいえ、その後の結果よりもその場の反省した態度を求めてしまう先輩の気持ちも、頭ではわかります。
個人的には、シュンとした態度よりも、非を認めたらすぐに回復して作業を継続することや、今後よりよい結果を出そうと努める方が大切だと思うのですが。

正直、わたしは相手を満足させるためだけに、時々落ち込んだ演技をするようになりました。
元々自分をいつわるのは苦手なので、見え見えの演技です。
しかし萎縮した態度を求める人は、明らかな演技でも相手にはシュンとして欲しいようで、満足している様子です。
言葉は悪いですが、こういうことは本当にくだらない。
あまりに馬鹿馬鹿しすぎるときは、そんな演技さえしません。


「面倒なことに巻き込まれたくないから、いつも一人でいるんだよ~」と思いつつ、昨日泣いていた同僚が気がかりです。
今日顔を合せたら、「気持ち悪いけど、この地域ではこうするのが〝安全〟なんだよ。だからみんな変な演技をするんだよ」と説明だけはしておこうと思います。
演技をする方が、逆に相手を侮辱していると知りながら。

コメント

  1. そんな事件があったとは…
    反省の色と言うのは確かに色々あると思う。落ち込む人もいれば、切り替えを素早くして次に行く人。
    もり子さんの地域では前者のシュンとして落ちこむ姿が当たり前なのね。その姿を見せないと周りは納得しないんだろうな。これは慣習として根強い。

    落ち込むのは一瞬のことで早々と切り替えた方がいいんじゃないかと思うけどな〜。

    郷に入っては郷に従えという言葉もあるけど、同僚の人にはそういう事が有ることは伝えて、染ることなく過ごしてもらいたいな。

    もり子さんも間に入るの大変だったね〜。

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  2. 当時職場には10人以上いた中、どうしてわたし一人が第三者として呼ばれたのかは謎だけど、「パートは黙っとれい!」「新人は黙っとれい!」という空気の中(わたしも比較的新人)、その機会に自分が思っていることをはっきり言えたのはよかったよ。

    昨日、いつも笑顔の彼女に会ったら、いつも以上に明るくみんなに声をかけて自分で乗り切ろうとしていたから、わたしは何も言わなかった。
    また必要だと思われるタイミングで、「この地域はこういう感じだから、気にしなくていいよ」と言うつもり。
    わたしも、変な慣習には従わなくていいと思うよ。
    すうんさんの同意も得られて、自分の独りよがりでないことがわかってほっとしてる(笑顔)。

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