漂流郵便局

 

7月は文月(ふみづき)。
先日放送された朝日新聞ポッドキャストで漂流郵便局がとりあげられたことをきっかけに、その郵便局がある香川県の粟島(あわしま)に行ってみたくなりました。

漂流郵便局は2024年7月現在、週に3時間しか開いていません。
瀬戸内芸術祭のアート作品として2013年に誕生し、届けたくても宛先がわからない手紙を受けつけてくれる郵便局です。
建物は本当に使われていた元郵便局で、局長の中田さん(89歳)もそこで働かれていた元局長さん。
現在はボランティアで、1人でここを管理されています。
これまでに累計5万通以上の手紙が寄せられていて、来局者はその手紙を読むことができるそうです。

未来や過去の自分に向けて手紙を出す人がいれば、思いを伝えたいのにどこに手紙を送ってよいのかわからない人、亡くなった家族や友人に手紙を書く人などがいて、差出人の思いはさまざま。
中には子どもさんを亡くして週に数回、何年間も手紙を送られれる方がいて、局長の中田さんは、ただそのすべてに目を通しているそうです。
そしてその方から受け取る手紙の数が減るにつれ、差出人の中で止まった時間が少しずつ動き出していることを感じるそうな。

出さない手紙を書くのもいいけれど、それだと手紙がたまっていきます。
あえて「出す」ことで自分の思いを放ち、それが少なくとも誰か(中田さん)の目に触れ、漂流郵便局に来局される方にも読まれることで昇華される感じもいいなと思いました。
みんな知らない人だし、返事がくるわけでも何でもないのがいい。
ただ思いを放って漂わせる。

この郵便局がある粟島自体、とても素敵なところです。
電車と徒歩と船を乗り継ぎ、時間と手間をかけて行った先にほぼ何もないことが、なぜか胸を満たしてくれる感覚を味わうことができるかもしれません。
わたしの知るかぎり、島に自動販売機や商店はなかったので、飲み物と食べ物はしっかり確保して行きましょう。
三豊(みとよ)市周辺の海岸線は美しく、志々島(ししじま)まで足をのばしてみるのもいいですね。

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