成人式の思い出


今日の朝日新聞「声」欄に、着物がないから成人式に出ないと言う友達をなじる新成人の娘に、悲しい顔をして「そういうお友達に寄り添ってあげられる人を大人と呼ぶんじゃないかな。君は振り袖を持っているという心の余裕があるんだから、(その子と一緒に)洋服で(成人式に)参加すれば?」と提案したお父さんの話が掲載されていました。
著者は56年前に新成人だったその娘さんで、彼女自身は母親に振り袖をあつらえてもらっていたけれど、裕福な叔母さんに朱色のスーツをあつらえてもらい、友達と一緒に洋服で成人式に参加したというお話。
素敵なお父さんだ~と感動すると同時に、自分は新品のスーツで行ったんかい!とツッコミたくなる不思議な投稿でした。

それで思い出したのが自分の成人式です。
わたしには振り返った時に理由や経緯のよくわからない経験が結構ありますが、成人式もそのひとつ。
なぜか成人式実行委員会のメンバーとして式を企画、運営しました。

わたしが9歳から18歳まで住んでいた町は、自分的にはまったくそんな印象はなかったけれど所得の低い世帯が多かったようで、着物を用意できない人のために、成人式はあえて振り袖の着られない真夏に行われていました。
自分は高校を卒業と同時に実家を出たため、その町に住んでもいなかったのですが、住民票を動かしていなかったのか、はたまた転出後もその町の誰かとつながっていて呼ばれたのか、なぜかそこで行われる成人式の実行委員をつとめることになったのです。
そういうイベントごとにほぼ関心のないわたしは、その時になぜ真夏の成人式をするか、なぜ新成人が自ら手作りで成人式をするのかを聞かされた記憶があります。
「どうせお金もないんだし、わざわざ集まって式なんかせんでいいじゃん」的な態度(もしかしたら発言も)をしていたのかもしれません。
そして数か月かけて数回、県外からもメンバーが集まって会場の手配をし、飾り付けを考えたり、お偉いさんは誰を呼ぶかを決めました。

そして迎えた成人式当日。
わたしは実行委員でもあったため、持っていた唯一のスーツを着て参加。
他の人が何を着ていたのかなんて一切覚えていません。
ただ高校進学率が約50%だった地域です。
中学校の時は暴れていた同級生たちが一足先に社会人となり、子どもをもってすっかり落ち着いた大人になっているのがとても印象的でした。
中には子どもを2人連れて来た子も数人いて、昔暴れていた彼らがわざわざ足を運んでくれたことがとても嬉しく、その時になってようやく「成人式をやってよかった」と思いました。

式の行われた会場は農業会館のホールだったし(そこは地域のスポーツ施設兼展示場、イベント会場でもあった)、同級生の子どもたちがウロウロし、いわゆるお偉いさんのスピーチの最中に参加者がツッコミをはさむようなゆるいもの。
でも、すでに人の親になって厳しい現実を生きていただろう同級生たちが束の間の再会を喜んでくれていた姿は今でもはっきり覚えています。

華やかな振り袖と袴の成人式もいいけど、真夏に子連れの成人式もよい思い出。
みんな今ごろどうしているかな~。

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