登山アプリ
写真:Vanna Phon 出典:Unsplash
先日、初めて行った山でルートファインディング遊びをしていた時のこと、細い木が密集して生えている急坂に出ました。
その藪を突破するためには、カッパを着ないと服が破れそう。
でも傾斜が50~60度ある上に、木が密集しているためザックを降ろすこともできない。
仕方がないので急坂の尾根を数メートル登り返し、木と木の間にしゃがめるスペースをみつけました。
こういうちょっとした難関に直面した時、まずわたしがするのは休憩です。
ついでに用も足そうかしらと思っていたその瞬間、背後でザザザザッと何かの落ちてくる音がしました。
何?と思って振り向くと、尻餅をついて急坂を滑り降りてくる人間が!!
慌てて「大丈夫ですか?!」と声をかけるも反応なし。
もう一度「大丈夫ですか?」とさらに大きな声で叫んでも返事がない。
尻餅をついたままぼんやりしている40代ぐらいの男性をよく見ると、イヤホンをしている。
もう一度彼の目をみつめながら「大丈夫ですか?」と声をかけて、ようやく彼はイヤホンを外しました。
話を聞くと、その人はGoogle Mapのように進む方向をナビゲーションしてくれる機能のついたYAMAP(ヤマップ)という携帯電話の登山アプリを使っていて、それには他の人の歩いた所も表示されるため、それをたどってその場所に来たと言います。
しかしまじまじ見ると、彼はリュックを持っておらず、着圧シャツとタイツの上にTシャツと短パン、ランニングシューズ姿。手袋や帽子もなし(1月下旬です)。
普通の道を走っても面白くないから、2~3か月前から山を走り始めたとのこと。
ランナーなので体力はあると思いますが、そんな軽装で道のない藪を滑り降りてきたことに仰天しました。
よほどの強者か??
わたしは「いや~、こんな所には誰も来ないと思って、もうすぐここでお尻を出して用を足すところでしたよ(笑)。ここから100メートルぐらい北に下りると道路に出ると思います。よかったら、あなたの後をついていってもいいですか?」とちゃっかり言って、カッパとチェーンスパイク、ポールの完全防備で彼のあとを追う。
予想通り100メートルぐらいで道に出て、わたしは自転車を回収。
彼とはそこで別れましたが、何となくモヤモヤとした気持ちが残りました。
たしかに今、YAMAPのような登山アプリを使って山に入る人が多いことは知っている。
その日出会った男性は体力があり、服が破れる心配や、急坂を滑り落ちることも気にしている様子はなかった。
でも遊歩道のような道ならまだしも、人の来ない所でイヤホンをしている割に、ずっと携帯電話を見ながら進んでいる姿を見ると、わたしの方が不安な気持ちになってしまったのです。
その後、インターネットで誰でも見られるYAMAPの山行記録を山の名前で検索すると、わたしが会った男性の記録をみつけることができました。
そこには「藪がすごかった」「途中で人に会えて心強かった」という絵文字付きのコメントと、ボロボロになった靴の写真。
やっぱり彼は軽装だったけど、山の達人ではなかったのね。。。
スマホの画面に表示される線をたどっていけば、方角や地形、目印になるものを気にせず目的地に着くことができる。
でも落石や倒木、動物と出会うこともあるのに、まわりの音がまったく聞こえない状態で、まわりの環境をまったく気にせず山を歩けるその感性に、いささかの恐怖心さえ覚えたというのが正直なところです。
地図アプリに100%頼った山歩きは安全なのでしょうか。
安全だから使う人が多いのだろうと思いつつ、わたしはテクノロジーを完全には信用できず、万が一に備えてすべてがオーバースペック気味の完全装備。 それでも心配(苦笑)。
アプリを100%信じられる人を間近に見て、自分は今のスタイルを継続するだろうと思った出来事でした。
(注:もり子は地図とコンパスを使いつつ、スーパー地形という現在地のわかるGPS地図アプリも念のため携帯電話に入れています)

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