続 ALICE SYSTEM
そこから空想は広がり、ALICE Cabin を利用した住居だと、荷造り不要で家ごと引っ越しができる、移動は目的地に着く直前まで着替えや食事などができる、などと想像していて思いました。
このシステムの肝は規格化されたキャビンの汎用性にあると思うのですが、すでに自家用車は ALICE SYSTEM と似たような機能を果たしているのではないか、と。
今は運転こそ手動ですが、自家用車は移動する個室です。
目的地に着くまで、中で食事をしたり化粧をしたりすることができるし、停車すれば中で寝られる。
そして今でも、自動車に乗ったまま船の移動が可能。
車両の形の違いから生まれる空間利用の非効率性はさておき、ALICE Cabin が列車や飛行機に載せられるのであれば、自家用車でも列車や飛行機に載せられるのでは?
キャンピングカーにいたっては、とっくの昔から「移動する家」になっています(笑)。
写真:Tobias Tullius 出典:Unsplash
自動運転化が進めば、自家用車はこれまで以上に居住性が重視されて部屋に近づいていく可能性が高いです。
そして(すでにトレイラーとして存在している)個室、キッチン、風呂、トイレがそれぞれ別のキャビンで構成されたシステムがもっと普及すると、まったく荷造りをすることなく引っ越しが可能になり、個室だけを移動して水回りの設備があるホテルに宿泊(停車)する、オートキャンプ場的な使い方をしやすくなります。
そう考えると、ALICE SYSTEM は現在の延長線上にある気がしてきました。
それに加えて、自家用車も、列車も、飛行機、家、ホテルも、そのすべてが外界から身を守る「箱」の役割をもっています。
そもそも人は、家、乗り物、職場、ホテルなどの箱を行き来して暮らしているので、ALICE Cabin という箱で移動するのも、そう突飛な発想ではない。
わたしは前回の投稿を書いた時に見落としていたけれど、人間は荷物になる瞬間を日常的に経験しているのです(苦笑)。
ALICE SYSTEM を開発した川崎重工は「移動本能」を謳い文句にしていますが、元々箱から箱へと移動しているわたしたちにとって、「ひとつの箱に入ったまま、あちこち移動できること」が ALICE SYSTEM の新しさでしょう。
だとすれば、それは移動に対する本能ではなく、便利さと快適さを追求する本能に突き動かされているような気がします。
変わりゆく外の環境に自分の身をさらして刺激を得ることは、移動の醍醐味のひとつ。
わたしたちは本当に移「動」したいのか、それとも動かずに運ばれたいのか、なかなか考えさせられるシステムです。


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